バラバラのダイニングチェアってどうなの？メリットやデメリット、おしゃれに見せるコツを紹介！

2023年9月21日 2023年9月21日

umi.tanaka

ダイニングチェアをバラバラであつらえる際のメリットやデメリット、選び方のポイントを徹底解説します。使い勝手や心理的な作用、長期的に考えたダイニングチェアの役割など、カリモクマイスター取得の家具のプロがわかりやすく説明します。

はじめに

「ダイニングチェアって、統一するものだと思っていたけど、実際の使い勝手を考えてみるともしかして1人1人バラバラでもいいんじゃない…？」そんなふうにお思いになられたことのある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

でも、ダイニングチェアをいざバラバラで買うのって、けっこう勇気がいるものですよね。今回は、ダイニングチェアをバラバラでそろえるときの注意点や選び方のコツ、メリットやデメリットをご紹介いたします。

そもそもダイニングチェアとは？どんな時に使う？

01食事がメインの用途！

そもそもダイニングチェアはダイニングテーブルに合わせて食事で使用するものです。実は、各ご家庭の食事スタイルによっても選ぶべきダイニングチェアは変わります。例えば、中華料理店形式で大皿から取り分けるスタイルのご家庭では遠くまで視線が届くようにちょっと低めのダイニングテーブルと合わせます。

逆に、西洋レストラン形式で個々人の席に料理が用意されるスタイルのご家庭では、お皿から口元まで料理を運びやすい距離の、中程度の高さのダイニングテーブルを合わせます。
一般的にダイニングテーブルとチェアの相性は、着座したときにダイニングテーブルの天板の裏側とももとの間が約27~30cmくらい空くものと言われていますが、百聞は一見に如かずで、実際に座っていただくことが何より大切です。
食事風景を想像しながらご自身に合ったチェアをお選びいただくことで、失敗のないダイニングチェア選びができます。

02最近はリモートワークや家庭学習で使用される方も

ダイニングテーブルの用途として、近年では食事以外にも、学習やリモートワークで使用される方が増えてきました。
「リビングはソファやテレビがあってなんとなくくつろいでしまう…。」「ちょっと集中したいときにはダイニングのほうが適している」と考える方が多いようです。
また、小学生～中学生のお子様がいらっしゃるご家庭では、保護者の方がお料理を作りながら宿題を見るというようなシーンも増え、ご家庭の中におけるダイニングテーブルの役割がさらに幅広くなった印象を受けます。

リモートワークや学習でダイニングテーブルを使用する場合は、食事よりも長い時間チェアに座ることになるので、姿勢や集中力を保つという面からもチェア選びは重要な要素です。これからは食事だけでなく、いろいろな用途でダイニングテーブルを使うことを視野に入れてチェア選びをしてみましょう。

体に合った、座りやすいダイニングチェアとは？

Girl drawing with her father working at the table at home

01長時間座っても疲れない椅子とは

長時間座っても疲れない椅子とは、椅子そのもののクッション性や肘置きのある／なしにもよりますが、何より学習やパソコン作業をする前提で考えるとダイニングテーブルとの高さの相性が大切です。相性は、着座して手をダイニングテーブルに乗せたときに、肘の角度が90度になる高さが理想と言われています。

しかし、ダイニングチェアを統一したときに、この基準を大人に合わせてしまうと子供には高すぎるし、子供に合わせてしまうと大人には低すぎます。そのため、ダイニングチェアをバラバラにしてはどうか…と考える方が増えてきているのです。

大人も子供も長時間座っても疲れないダイニングチェアが欲しい！
そんな発想に辿り着いたら、バラバラのダイニングチェア選びの第一歩を歩み始めたと言えるかもしれません。

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ダイニングチェアをバラバラであつらえたときのメリット

01個々人の座りやすさや好みをチェアに反映できる

ダイニングチェアをバラバラであつらえることの最大のメリットは、個々人の座りやすさや好みをチェアに反映できることです。一般的に座りやすい椅子というのはクッション性が高くて体重を適度に分散することのできる椅子ですが、体型や体重は個人によって大きな差がありますし、そもそもクッション性のない、固い椅子が好き！という方もいらっしゃいます。そのような場合に、個人の好みを椅子に反映できることはとても大きなメリットです。
お気に入りの椅子を選べば、そこに座ることも楽しくなりますし、家族がダイニングテーブルに集まる機会が増えれば、自然と会話も弾みます。
ダイニングチェア選びは、家族の絆を深める意外なキーポイントとなっているかもしれません。

02家族の居場所、存在感を心理的に表現することができる

心理学の技法でも椅子がセラピーに用いられることがあります。例えば「ゲシュタルト療法」というセラピーの「エンプティ・チェア」という技法では、会話したい人が空の椅子に座っているとイメージして実際に話しかけます。
このセラピーで、イメージした相手（例えば上司や親など）に日頃はなかなか言えないことを言ったり、ずっと思っていたけれど言えなかったことを言ったりします。それが心理的な負担の解消に繋がるというのです。

椅子はそこに誰かがいるという無意識の想起を私たちに引き起こします。

ダイニングチェアで家族が自分らしさを表現すれば、それは家族がそこにいるという存在感にも繋がります。

大切な家族の一員に定位置ができる。それがダイニングチェアをあえてバラバラにすることのメリットです。

03インテリアとしてメリハリがでて個性的になる

ダイニングチェアをバラバラにすることで統一感がなくなり、お部屋に雑多な印象を与えてしまうと思われる方も多いのですが、実は選び方によっては統一感を損ねずにバラバラの椅子を選ぶということも可能です。（後述の「ばらばらであつらえる際も統一感を失わないコツ」をご参照ください。）

その際、個々人のエッセンスを椅子に取り入れることで逆にインテリアとしての面白さや個性を楽しむこともできます。

椅子も様々な種類がありますから、「これが好き！」をとり入れることでメリハリがでてご自宅がより楽しいインテリアコーディネートになることも。

おもしろみのあるコーディネートがお好きな方は、ぜひ取り入れていただきたいスタイルです。

04コーディネートが楽しくなる

ちょっと個性的なインテリアが好き、流行に惑わされずに自分らしいコーディネートを楽しみたい、そんな方にはダイニングチェアをバラバラにしてみるのはとてもおすすめです。

バラバラといってもどこかひとつ（素材・色・高さなど）に統一感を持たせるだけでインテリアとしての共通項が生まれます。家族としてのつながりや、個々人の個性を椅子で表現することで、椅子選びから家族の会話がふくらみます。

お気に入りの一脚を選べば、カスタマイズやお手入れも楽しくなるもの。

愛着を持って椅子に接することができ、その気持ちが家族を大切にする気持ちや人を尊重する気持ちにも繋がっていきます。

05お子様の成長に合わせて買い替えしやすい

ダイニングチェア選びで最も皆さまが頭を悩ませるのが、お子様の椅子の買い替えです。幼児の頃はダイニングテーブルに合わせてベビーチェアを用意される方も多いですが、大きくなるにつれ、食卓を共にするために椅子を買い替える必要が出てきます。その際、家族全員の椅子を買い変えるのはコスト的にも労力的にも大変です。

はじめから椅子がバラバラであれば、デザインの変更に頭を悩ませることもなく、お子様の成長に見合った椅子を購入できます。

将来、買い替える時にお子様がどんな椅子を選ぶかも楽しみになりますね。

ダイニングチェアをバラバラであつらえたときのデメリット

01統一感が出なくなる・コーディネートが難しい

ダイニングチェアをバラバラでコーディネートするときに最も難しいのは統一感の出し方です。家族がまったく共通項なくダイニングチェアを選ぶと、素材も色も形も別のものを選び、そもそもダイニングに収まらない可能性もあります。
揃いのダイニングチェアに比べれば、サイズや色などを慎重に選ぶ必要があります。次の章で、統一感を失わずにダイニングチェアを選ぶコツをごしょうかいしておりますので、ぜひ参考にしてみてください。

02来客時にお客様に座ってもらいづらい

ダイニングチェアを家族それぞれに選ぶことで、家族の一員としての定位置ができ、それにより存在感が増すことはメリットとして前章でお伝えしました。
しかしかえってそれがお客様にとっては座りづらい椅子となってしまうことも考えられます。お客様用のスツールを用意する、来客時はリビングを利用するなど対処法はありますが、来客の多いご家庭は一考の余地がありそうです。

03お手入れや買い替えが面倒

ダイニングチェアをバラバラに選ぶと、お手入れの方法や買い替え時期が一脚一脚バラバラで煩雑というデメリットがあります。あまりにコストパフォーマンスの悪いものを買ってしまうと、しょっちゅう椅子を買い替えなくてはなりません。
せっかくお気に入りのものを選ぶのですから、長く使えてお手入れもしやすい椅子を選びましょう。

バラバラであつらえる際も統一感を失わないコツ

01素材を統一する

ダイニングチェアにもいろいろな素材があります。プラスチックや木材、スチールを使ったものや布張りのものなど、さまざまな素材から選ぶことができます。
バラバラながらも統一感を出したい場合、素材を揃えると一定の統一感が出てコーディネートにまとまりが出ます。

02色を統一する

同じ木材系で色をベージュ系にまとめる、素材はバラバラだけれども色は白系に統一するなど、色でも統一感は出すことができます。また、座る部分（座面）の張地のカラーを揃えることでまとまりを出す場合もあります。

03高さを統一する

おすすめなのは高さの統一です。椅子がバラバラでも、高さを揃えるだけでかなり統一感が出ますし、お部屋を広く見渡した時の圧迫感・違和感も減ります。
特にダイニングテーブルと同じくらいの高さに椅子の背もたれの高さを揃えることで、空間が広く見え、おしゃれでシンプルなコーディネートにまとまります。

04ダイニングベンチを取り入れる

一脚一脚をすべてバラバラにするのは勇気がいるけれど、子供の成長に合わせてチェアを変えたり、ちょっと違うダイニングを実現したい！そんな場合には、ダイニングベンチを取り入れることもおすすめです。ベンチは背もたれがありませんが複数の人数が座りやすく、椅子を引くことなく座れるのでお子様には使いやすい形状です。いかにダイニングベンチのメリットとデメリットをまとめていますので、ぜひご覧ください。

ダイニングベンチは後悔するって本当？メリット・デメリット徹底解説！失敗しないためのダイニングチェア選び - KSP カリモクショールームパートナー (ksp-furniture.com)

05あえて思いっきりバラバラにするのも楽しい！

いろいろと考えすぎずに、家族それぞれ好きな椅子を自由に選ぶ！というのも楽しいコーディネートです。違う椅子がほどよく個性を主張して、おへやの良いアクセントになります。ただこの場合、サイズだけはご注意ください。テーブルに収納できるか、椅子を引くためのスペースはあるかなどチェックしましょう。椅子はそれぞれの個性が現れる家具です。バラバラであればあるほど、お気に入りの一脚になるかもしれません。

バラバラで購入する際の注意点

01必ず試し座りしてみよう

ダイニングチェアに限らず、椅子を選ぶ時はテーブルと合わせて必ず試し座り（試座）をするようにしましょう。その際、食事やパソコン作業など、生活の中でダイニングテーブルを使うシーンを具体的に想像して、目線と高さを確認するとよいでしょう。実際に現在、高さのあっているテーブルとイスがあれば、その高さを確認しておくと便利です。お店で商品をチェックするときは、可能な限り靴を脱いで、実際の生活に沿った形で試してみることが大切です。

02椅子を置いたときのサイズを確認しよう

バラバラのダイニングチェアを選ぶ時にもっとも失敗しやすいのがサイズです。特に横幅（すべての椅子がダイニングテーブル内に収まるか）と、椅子を引いた時のスペースはしっかりと計算して選びましょう。ひじ掛けが高い椅子だと、ダイニングテーブルの天板に引っかかってしまうこともあります。バラバラの椅子選びは、実際に椅子をダイニングテーブルに納めて確認することが難しいので、メジャーなどを使って組み合わせがうまくいくかを計算しながら購入しましょう。